【実践編】「怒り」について考える⑧
- サポート教室かたつむり
- 2021年10月18日
- 読了時間: 5分

大人だって子どもだって、みんなが持っている身近な感情。
でも、一歩使い方を間違えれば、自分も相手も傷つけることになる・・・
そんな「怒り」について、いろんな角度から考えてみるシリーズ第8弾!
今回は「怒り」のコントロールについて考えてみたいと思います。
「怒り」のコントロールには3つのポイントがあります。

① 「カッとなる」のコントロール
「怒り」が生まれた瞬間の衝動をコントロールします。
② 考え方のコントロール
自分の考え方と「怒り」には密接な関係があります。
思考をコントロールすることで、「怒り」をコントロールします。
③ 行動のコントロール
「怒り」を表現する行動をコントロールすることで、適切に自分の気持ちを表現します。
今回は、3つのポイントのうち、行動のコントロールについて、詳しく解説していきます!
行動のコントロールのキーワードは「わける」!
「怒り」を感じたできごとについて、
① コントロールできること or コントロールできないこと
② 重要なこと or 重要でないこと
という、2つの基準でわけてみましょう。
<コントロールできること or コントロールできないこと>
そのできごとは、あなたがコントロールできることですか?
・自分が行動することで、何かを変えられる場合・・・「コントロールできること」
・自分が行動しても、何かを変えられない場合 ・・・「コントロールできないこと」
となります。
<重要なこと or 重要でないこと>
そのできごとは、あなたにとって重要なことですか?
・大きな問題、危ない問題、重要な問題など・・・「重要なこと」
・さほど大きくない問題、緊急でない問題など・・・「重要でないこと」
となります。
これらの2つの基準でわけると、できごとは4つのパターンに分類することができます。
①「コントロール可能 & 重要」なできごと
②「コントロール可能 & 重要でない」できごと
③「コントロール不可能 & 重要」なできごと
④「コントロール不可能 & 重要でない」できごと
この4つのパターンごとに、できる行動は変わります。下の一覧表で見てみましょう。

①「コントロール可能 & 重要」なできごと
たとえば、「子どもがライターで火遊びをした」とか、「友だちに大事な約束をやぶられた」などのできごとがあたります。
こんなとき、
「火遊びだなんて、何を考えてるの!?」
「なんで約束をやぶるの!?」
なんて、怒りのままに怒鳴っても、事態は変わりません。
「コントロール可能 & 重要」なできごとに対しては、「適切に伝える」ようにしてみましょう。
たとえば、
「火遊びをすると、火事になってしまうこともあるの。火は大人と一緒に使ってくれる?」
というように、具体的な理由や今後してほしい行動を伝えたり、
「大事な約束を破られて悲しかったよ」
というように、怒りが生まれるもととなった感情(一次感情)を伝えたりします。
大事なのは本能のままに「怒り」を発散させることではありません。本当に大切なのは、「怒り」を感じたあなたの気持ちをわかってもらうこと、そして、同じ問題をもう一度起こさないことです。
②「コントロール可能 & 重要でない」できごと
たとえば、「何度言っても、子どもが汚れものを出さない」「友だちの貧乏ゆすりが気になる」などのできごとがあたります。
これらのできごとは確かに「怒り」につながることはありますし、自分が行動することで何かを変えられるできごとですが、さほど重大な問題でもなく、緊急でもありません。
このような「コントロール可能 & 重要でない」できごとに対しては、「後回しにする」ようにしてみましょう。
今「怒り」を感じたからと言って、慌てて行動することはありません。今日のところは後回しにして、自分に余裕があるときに、適切な方法で伝えてみてはいかがでしょうか?
③「コントロール不可能 & 重要」なできごと
たとえば、「明日は旅行なのに、雨の予報」「急いでいるのに、乗っている電車が事故で止まってしまった」などのできごとがあたります。
これらのできごとは、本人にとってはいてもたってもいられない重要なできごとですが、自分がどうあがいても変えることはできません。泣き喚いても雨は降りますし、駅員さんに怒鳴っても電車は動きません。
このような「コントロール不可能 & 重要」なできごとに対しては、「できることをする」ようにしましょう。
たとえば、
「明日は旅行なのに、雨の予報」なら、テルテル坊主を作ったり、雨でもできる旅行計画を立てたり・・・
「急いでいるのに、乗っている電車が事故で止まってしまった」なら、遅れることを連絡したり、スケジュールを立て直したり、別の移動手段を考えたり・・・
いま何ができるかを考え、今できるベストを尽くしましょう!
④「コントロール不可能 & 重要でない」
たとえば、噂話やゴシップ、少しの電車の遅れなどのできごとがあたります。
これらのできごとは、自分にとって大きい影響は与えませんし、自分が行動しても何かが変わるということもありません。
このような「コントロール不可能 & 重要でない」できごとに対しては、「放っておく」ようにしましょう。
この「放っておく」は、「思考のコントロール」で紹介した三重丸の真ん中の輪、「まあいいかゾーン」を広げることにもつながりますよ♪

いかがでしたでしょうか?
「怒り」を感じたできごとを4つのパターンにわけると、どう解決すればよいか、わかりやすくなりますね。
「怒り」のコントロールでめざすのは、「怒らない」のではなく「上手に怒る」こと。
「上手に怒る」ことで、毎日は今よりもちょっとだけステキなものになるはず♪
第9弾では、今回「行動のコントロール」で紹介した「適切に伝える」方法について、さらに詳しく解説していきます。次回もぜひご覧くださいね!
「怒り」に振り回されない生活をめざして、一歩を踏み出してみませんか??
コメント