発達障害のキソ知識〜ASD編⑤〜
- サポート教室かたつむり
- 2021年12月6日
- 読了時間: 3分

「発達障害」
よく耳にするけれど、何となくしかわからない・・・
という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
知っているようで知らない?身近な障害「発達障害」について、一緒に学んでみませんか?

「発達障害」とは、生まれつき脳のはたらき方が通常と違うために、幼少時から特異な行動や特徴が見られる状態のことです。
主に
・ASD(自閉スペクトラム症)
・ADHD(注意欠如多動症)
・SLD(限局性学習症)
の3つを指すことが多いですが、他にも、
・DCD(発達性協調運動障害)
・チック障害
を含むこともあります。
今回は、これらのうち、ASD(自閉スペクトラム症)について紹介していきます!
*今までの投稿まとめ*
<概要>
ASD(自閉スペクトラム症)とは、生まれつきの脳の機能障害で、発達障害の一つです。発症の原因はまだわかっていませんが、遺伝や環境など、多数の要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。
<症状>
ASDは、「コミュニケーションの難しさ」「こだわり」「感覚のかたより」など、多様な症状を見せます。症状の現れ方は十人十色で、同じ症状の人は二人としていないともいえるでしょう。
<歴史>
ASDは1943年のカナーの報告、1944年のアスペルガーの報告以来、いろいろな角度から研究されてきました。近年では、ASD関連の疾患を細かく分類するのではなく、「自閉スペクトラム症(ASD)」とまとめて呼ぶことが多くなってきました。
<ASDかもと思ったら?>
・相談する
園や学校の先生・公的相談機関・かかりつけ病院・専門病院 など
・今できることをする
情報をまとめる・かかわり方を変える など
今回からは、具体的な支援方法についてご紹介します!
今回紹介するのは「SPELLの原則」です。
SPELLというのは、イギリスの自閉症協会(National Autistic Society)が提唱している、ASDの人とかかわる際の基本的な5つの原則で、
・Structure(構造化する)
・Positive(肯定的に)
・Empathy(共感する)
・Low arousal(穏やかに)
・Links(つながる)
の頭文字をとったものです。
それでは、1つずつ見てみましょう!
<Structure:構造化する>
ASDの人にとってわかりやすい環境を用意すること
目で見える情報を使って、
「何が起こっているの?」
「何をしたらいいの?」
がわかるようにします。
例えば、写真や絵、文字を使って伝えたり、スケジュール表や手順書を活用したりします。
<Positive:肯定的に>
自信をつけ、自己肯定感を高めること
肯定的な視点や態度で、細やかに手をさしのべることで、ASDの人が本来持っている強みや興味、能力などを生かしていけるようにします。
<Empathy:共感する>
ASDの人と良い関係を築くこと
ASDの人の立場にたって、
「何がおもしろいの?」
「何がイヤなの?』
と考えてみましょう。
共感的に理解することで、ASDの人と良い関係を築くことができます。良い関係は、かかわりの結果をより良いものとしてくれるのです。
<Low arousal:穏やかに>
穏やかで整理された環境やかかわり
音量・配色・におい・明るさ・乱雑さなどに配慮することで、ASDの人が感じる不安を減らし、活動に集中できるようにします。
<Links:つながる>
オープンにつながりコミュニケーションをとること
当事者や家族、支援者、専門家などがチームとなってサポートしていきます
SPELLは、一人ひとりのニーズを満たした環境やかかわりをすることで、経験をより良いものにする大切な要素です。症状の強さや年齢にかかわらず、広く使える考え方ですので、ぜひ取り入れてみてくださいね!
いかがでしたか?
次回は、ASDの支援方法の1つ、「TEACCH」について解説していきます。
ぜひ、ご覧くださいね!
コメント