発達障害のキソ知識〜ADHD編④〜
- サポート教室かたつむり
- 2022年1月31日
- 読了時間: 5分

「発達障害」
よく耳にするけれど、何となくしかわからない・・・
という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
知っているようで知らない?身近な障害「発達障害」について、一緒に学んでみませんか?

「発達障害」とは、生まれつき脳のはたらき方が通常と違うために、幼少時から特異な行動や特徴が見られる状態のことです。
主に
・ASD(自閉スペクトラム症)
・ADHD(注意欠如多動症)
・SLD(限局性学習症)
の3つを指すことが多いですが、他にも、
・DCD(発達性協調運動障害)
・チック障害
を含むこともあります。
今回は、これらのうち、ADHD(注意欠如多動症)について紹介していきます!
*今までの投稿まとめ*
<概要>
ADHD(注意欠如多動症)とは、生まれつきの脳の機能障害で、発達障害の一つです。発症の原因はまだわかっていませんが、遺伝や環境など、多数の要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。
<症状>
ADHDは、「多動性」「衝動性」「不注意」などの症状を見せます。年齢が幼いうちは「多動性」「衝動性」の症状が目立ちますが、年齢が上がるとともに「多動性」「衝動性」の症状は目立たなくなり、相対的に「不注意」の症状が目立つことが多くみられます。
<歴史>
約2500年も前から、ADHDのような症状をもつ人については報告されていましたが、精神的な障害の一つであると認識されたのは1960年代のこと。その後もADHDについての認識は更新されていき、2000年頃からは現在のように「不注意優勢型」「多動性衝動性優勢型」「混合型」のタイプがあると考えられています。
さて、今回は、「ADHDかもとおもったら?」について紹介します。
子ども、家族、職場の仲間など、身近な人とのかかわりの中で、「もしかしてADHDかも?」と思うこともあるかもしれません。そんな時は、どうしたら良いのでしょう?
「ADHDかも」と思ったとき、できることは大きく2つ!
① 誰かに相談する
② 今できることをする
それでは、1つずつ確認してみましょう!
<① 誰かに相談する>
相談といっても、誰に相談したら良いのでしょう?
主な相談先をいくつかご紹介します。
○園や学校の先生
ふだんからやりとりのある先生には、気負うことなく相談しやすいのではないでしょうか?先生は園や学校での様子も知っているので、家での様子と違いがあるのか、園や学校でうまくやっているのか、ということも確かめることができますね。
また、公的機関での相談にもつなげてもらえるかもしれません。
*ADHDでは、複数の場面で同じような行動の特徴が見られます。1つの場面だけで特徴が見られる場合は、別の原因であることもあります。見分けるためにも、園や学校の先生に相談することは重要です!
○公的な相談機関
子育てや健康を支援するセンターなど、公的機関では、発達障害に関する相談も受け付けています。それぞれの地域に設置されているので、自宅近くで相談できるのもメリットです。
また、療育などの支援を受けようとするときには、公的機関での手続きが必要です。公的機関で相談しておくと、支援も受けやすくなりますよ!
*市や区の保健福祉センター
*児童相談センター(児童相談所)
*発達障害者支援センター
*子育て世代包括支援センター
など、お住いの市区町村で検索してみてください!
○病院
ADHDの診断ができるのは病院です。問診や観察、検査などを通じて、医師が診断をします。「小児神経科」「児童精神科」「発達外来」などを探してみてください。
また、専門の病院が予約待ちだったり、どの病院を受診すれば良いかわからなかったり、専門の病院で受診することに抵抗があったり・・・と、なかなか専門の病院の受診が難しいこともあるかもしれません。そんな時は、まず、かかりつけの小児科で相談してみるのもいいかもしれませんね!
<② 今できることをする>
相談も大事ですが、今できることをやってみるのも大切です。
具体的には、何をしたら良いのでしょうか?
○情報をまとめる
相談や診断には、たくさんの情報が必要です。情報をまとめておくことで、現状をきちんと伝えることができ、スムーズに相談することができます。
また、情報をまとめることで、自分の頭の中を整理したり、新しい発見をしたりもできますよ!
*小さい頃の様子
(生まれた時の様子、赤ちゃんの時の様子、育児で苦労したことなど)
*乳幼児健診の様子
(健診の時に言われたことなど)
*園や学校での様子
(ふだんの様子、懇談で言われたことなど)
*家での様子
(日常のささいなことでもOK)
*困っていること・相談したいこと
など、母子手帳や育児日記、園や学校での連絡帳などを参考にしながらまとめてみてくださいね。
○環境を整える
特に低年齢のうちは、大人がひやっとするような危険な行動を取ることも多いです。例えば、階段に柵をつけたり、窓に補助鍵をつけたりなど、危険な行動が起こりにくく、もし危険な行動が起こっても安全な環境を作ることが必要です。
また、気が散らないように物を片付ける、忘れ物をしないように貼り紙をするなど、環境を整えることで、症状による困りごとを減らすことができます。
○かかわり方を変える
ADHDでは、「やってはいけないことをする」「やらなくてはいけないことをしない」など、どうしても叱責を受けることが多くなりがちです。そのため、「失敗」→「叱責」→「さらに失敗」→「さらに叱責」→・・・と悪循環になり、お互いに疲弊してしまったり二次障害を引き起こしてしまったりすることがあるのです。
かかわり方を変えることで、「小さな成功」→「賞賛」→「もう少し大きな成功」→「賞賛」→・・・と、良い循環を作ること目指していきます。
環境の整え方やかかわり方などの具体的な方法については、次回以降にご紹介していきますね!
いかがでしたか?
次回は、「ADHDの支援方法〜環境を整える」について解説していきます。
ぜひ、ご覧くださいね!
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